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ウガンダ ルコメラ小学校


by departure1212

休日と 私と子どもたち

土曜日、日曜日は学校がお休みです。でも寮のどもたちは家に帰らないので、朝から子どもたちの走る音や歓声が聞こえてきます。寮の子どもたちは、聴覚障害の子どもたちがほとんどです。

 土曜日は、午前中、子どもたちと一緒に実のなる木を探しに散歩に出かけました。というのも、子どもたちはよくおいしそうな果物をほおばっているところを見かけていたので、「私も食べたいな~」と常々思っていて「実のなる木を教えて」とお願いして連れてってもらいました。
 学校周辺にはいつくかマンゴーの木がなっていて、子どもたちは、石を投げて実を落としてくれました。でも熟れている実は一つもなく、もう少し奥のほうを捜しに行きました。

 途中、近所に住む中学生の男の子兄弟に会い、彼らに相談すると案内してくれました。そこには大きなマンゴーの木が!!弟くんが勢いよくその木に登ったかと思うと、木をゆすってたくさんのマンゴーの実を落としてくれました。お兄ちゃんは、「あいつはサルみたいに木登りが上手だろ!」と言っていました。子どもたちは歓声を上げそれらを拾い集めました。
 ちなみにお兄ちゃんに「このマンゴーの木は誰のものなの?」と聞くと「みんなのものだよ」と。「そうなんだ~」と遠慮なくいただきました。
 みんな満足顔で寮に持ち帰り、みんなで分けました。
 私ももらいましたが、とっても香りがよく甘かったです。きっと宮崎産の1個3万円もする「太陽の卵」に負けないくらいだと思います!!

 その日の昼、面白い光景を見ました。
 男の子たちがクワを使って土山を掘って、その土を1輪車で運んで、道の凹を埋めているのです。
 「もしかして!」と思い、近くの寮母さんに尋ねると「あの道は自転車やバイクが通るから、通りやすく道をならしているんだよ」と。すかさず「誰かが頼んだの?」と聞くと、「彼らが考えてしていることだよ!」とあっさり。
 感銘を受けた私は、彼らのお手伝いを少ししました。小さな体でクワを上手に操る子ども、土をいっぱい乗せた1輪車を前から一人紐で引っ張り、後ろから力いっぱい押す2人組。帰りは、交代で空になった1輪車に乗って遊んでいる彼らを見ていると、不思議と心が満たされるのです。

 道具もあることだし、私はその勢いで、「ミニ ファーム」づくりに取り掛かりました。一応同僚の先生に許可をもらい、自分の家と子どもたちの寮の真ん中あたりをクワで耕し始めました。
 子どもたちもなんだか分からないけど、助けてやろうと寄ってきて、耕してくれました。最初は私が何をしようとしているのか分からなかった子供たちも、土を耕し、四角にブロックを置いていくとそれが畑だということがわかったようで、率先して草ぬきをしてくれましたのは驚きでした。その後、うねを作り、日本から持ってきた種を見せると、子どもたちは大興奮!!どれを植えるかもめるほどで、最終的に私が植えたかった大根と子どもたちが選んだきゅうりとキャベツを植えることにしました。
 最初は、それぞれが好きに植えようとしていましたが、「ちょっと待って!」と私がお手本(?)を見せるとほとんどの子が忠実に種を4つずつ数えて植えてってくれました。

最後に私は水やりをしようとしたのですが・・・ここにはジョウロというものがなく、あるのはジェリカンぐらいで、「これで水をやると、せっかく丁寧に植えた種がまた出てきてしまう・・・」と悩んでいました。それを見ていた子どもの一人が、ジェリカンの口を適度に手で押さえ、リズミカルにジェリカンを振って水やりをやって見せてくれたのです!他の子たちも、ペットボトルに水を汲んできてその方法で水をやったり、桶の水を手のひらですくって、パシャパシャと優しくかけたりしてくれました。
子どもたちは、私以上に生きる術を知っている・・・と直観しました。
 その後は、畑の周りを子どもたちが囲み、「ここから大きな丸いキャベツができるんだよ」とか、歯を指差し、「ここからは白い野菜ができるんだ」などと楽しげに話して聞かせてくれました。
 そこには音はほとんどありませんが、無音の喜びの声であふれていました。

 明くる日、水やりをしようと畑を見るとすでに水がまかれていました。
 毎日、子どもたちに驚かされている私です。

 日曜日、私は朝8時に、学校の目の前にあるバス停からバスに乗りカンパラに行きました。というのも、日本を発つ前に送った荷物の半分がまだ届いていないため、カンパラの郵便局に問い合わせようと思ったからです。
 でも心なしかルコメラを離れるのは嫌でした。ルコメラに赴任して最初の外出だったので、留守中、家に何か起こらないか心配だったからです。
 結局、郵便局は日曜日が休みで・・・まだ買っていなかった毛布と枕など日用品を買って6時にルコメラに帰ってきました。
 「私の家は大丈夫か」と急ぎ足で玄関に行くと、そこにはなんと・・・・・・・・!!

 敷き詰められた毛布と数個のレンガと1つのボールと笑顔の子どもたちが!!
とっさに「どうしたの」と聞くと昼寝のポーズをして応えてくれました。
 私はその時、子どもたちは、私が朝から外出していることに気づいて私が帰ってくるまで家を守ってくれていたことを察しました。

毎日、私は子どもたちから驚きと愛をもらっている気がしてなりません。
by departure1212 | 2009-07-14 01:06